従来から私たちが信じてきた
コレステロールに関する常識と真っ向から対立する意見だけに、もしこの意見が正しいとなれば、厳しすぎる基準によっ て、多額の費用を使って、むしろ健康を害する治療をして いることになります。
うがった見方をすれば、大量の薬を使って製薬会社のみを利することになっている恐れもあります。
コレステロールの薬による治療を止めるだけで、ある試算によれば毎年 9000億円もの膨大な医療費の節約が出来るそうです。
コレステロール高値は悪と主張する「日本
動脈硬化学会」と逆の新説を主張する 「日本脂質栄養学会」とでは、意見が真っ向から対 立して、全く議論がかみ合っていないようですが、どちら が正しいかによっては、我々の生活態度は一変し、また医療に与える影響は 甚大です。
一体全体どちらの見解が正しいのか早急に知りたいところです。
過去の常識が新しい研究によって覆されることはしばしば経験するところですので、
厚生労働省はデータを正しく検証し、再度専門家の意見を聞いて、我 々はどうすれば良いのか明確にして欲しいと思います。
コレステロール値と
中性脂肪が高い方が長 生きする-。これまでの医療分野の常識を覆すような研究結果を日本脂質栄養学会がまとめた。
コレステロールを低下させる医療や食事による
生活習慣病予防対策の見直しが必要とする。
コレステロールなどについては、これまでの数々の試験によって「血清
コレステロール値 が高いと心疾患(虚血性)が増える」「
コレステロール値を下げると
動脈硬化性疾患(心臓病、
脳卒中)が予防できる」などの結果が示され、それらは 医学界の常識として定着している。多くの研究者にとっては驚くべき主張といえる。
東京都内で開かれた
セミナーで、浜崎智仁・富山 大和漢医薬学総合研究所教授は国内外の臨床研究や
疫学調査を基に「悪玉と呼ばれるLDL
コレステロールは低下させなくてもよい」と報告し た。LDL
コレステロールが高い方が死亡率は下がる、という。
大櫛陽一・
東海大医学部教授は「遺伝病である家族性
高脂血症以外の 人では、血中の
中性脂肪の量は、食事と生体のエネルギー消費に合わせ適切に調整されている」と説明。日本人では
高脂血症とされている人の 方が
脳卒中のリスクが低く、
脳卒中になっても軽症-として「家族性
高脂血症などを除き、
中性脂肪を下げる必要はない」と話す。
コ レステロール低下薬は科学的根拠がある薬として受け入れられているが、数々の大規模
臨床試験の主任研究員を務めた仏
グルノーブル第一大医学部の ミッシェル・ド・ロルジュリル心臓栄養部長は「最近の
臨床試験ではその有効性が認められなかった」と説明する。
コレステロール値 が高いことが心臓病の主因で、下げれば心臓病の
罹患率と死亡率を下げられるという理論は見直すべきだという。
奥山治美・
金城学院 大脂質栄養オープンリサーチセンター長は、動物性脂肪と
コレステロール摂取量を減らし高
リノール酸油を増やすと血中の総
コレステロール値 が低下し、
動脈硬化を予防できる-という説を批判。
「
リノール酸の取りすぎが多くの病気を増やす。動物性脂肪は安全性が高い」として、健 康によい油脂の選び方の方向転換を求めている。
2)
高知新聞 2009年10月25日付け:「高脂 血症は脳卒中少ない」東海大教授らが4万8000人のデータを比較:
コレステロールや
中性脂肪の値が高い人の方が
脳卒中を起こし にくく、発症した場合も状態が良いというデータを、
東海大学の大櫛陽一教授らがまとめ、24日までに日本脂質栄養学会誌に発表した。
大櫛教授らは、これまでにもこれらの値が低いほど死亡率が高いなどの研究結果を発表。「(悪玉といわれる)LDL
コレステロールも
中性脂肪も実は善 玉なのに、リスクが強調され、むだな治療がなされている」と問題視している。
大櫛教授らは、
脳卒中患者のデータベースに登録された男性約 2万8000人、女性約2万人のデータと、
福島県郡山市の一般住民のデータを比較。計4万8000人ほどのうち、
脳梗塞を起こした患者を 見ると、
高脂血症でない人と
高脂血症を治療している人の比率が、一般の住民より高く、
高脂血症(未治療)の人の割合は低かった。年齢や性 別の影響を除いて解析したところ、
高脂血症(未治療)の人の
脳梗塞発症リスクは
高脂血症でない人の約4分の1にとどまり、治療している人 のリスクは未治療の人の4.6倍だった。
脳内出血、
くも膜下出血でも
脳梗塞と同様に、
高脂血症(未治療)の人の発症リスクが低く、治療し ている人のリスクが高かった。
3)
読売新聞 2008.09.12東京夕刊:
コレステロール基準値 巡り論争:日本脂質栄養学会でシンポ高
コレステロールの診断基準値の妥当性などについて、日本脂質栄養学会でシンポジ ウムが開かれ、診断基準の作成にあたった専門医と、基準に疑問を持つ研究者の間で、論争が繰り広げられた。
コレステロールに関す る日本
動脈硬化学会の診断基準をまとめた寺本民生(たみお)・
帝京大教授は、
コレステロール値が高いほど
心筋梗塞(こうそく)などの心臓 病が増えると指摘。海外の多くの研究で、
コレステロールを下げる治療により、死亡率が低下することが明らかになった、と強調した。
LDL
コレステロール値140以上の場合を
脂質異常症とした診断基準について、大櫛(お
おぐし)陽一・
東海大教授(医
学情報学)は、全国70万人の健診 データなどをもとに「心臓病が増えるのは、数値が190以上の場合であり、基準には根拠がない」と批判した。
これに対 し、寺本教授は「LDLがそれほど高くなくても、糖尿病などを併せ持つ場合は心臓病の危険が高まる。そうした人を見つけ出すための基準値」と説明した。大櫛教授は「糖尿病を併発する場合でも、LDL値140以上で心臓病の
危険が高まるというデータはない」と反論した。